タチバナモドキ(ピラカンサ) Pyracantha angustifoliaバラ科 トキワサンザシ属
 和名のタチバナモドキは、果実がミカンの仲間であるタチバナに似ているとの意味である(棘があるのも共通)。元々は中国原産で、日本には観賞用として明治時代に導入されたものであるが、鳥により運ばれて各地に野化している。崖や路側帯などに自然に生育を開始し、時として鋭い棘でいやがられることもある。
 やせ地にもよく耐えて生育するので、緑化にも利用される。幹は自立性に乏しく、細く伸び上がって他の木に引っかかるようにして生長する。幹や枝の鋭い棘は、樹木に引っかかって生育するのに有効であろう。大きくなったものはツル植物に近く、寄りかかり植物と呼びたいような生育形となる。
 昔は棘を利用して、立ち入り防止のための生け垣に仕立てたりした。刈り込みにも耐えるので、よく手入れをすれば橙色の実は庭木としてもアクセントになる。


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