モッコク Ternstroemia gymnanthera Sprague (ツバキ科 モッコク属) |
モッコクは高さ15mになる常緑の中高木。千葉県以西の温暖な地域にに生育し、南西諸島から中国・東南アジア・亜熱帯に分布する。常緑広葉樹林内にも生育するが、あかるい二次林の尾根筋などに定着しつつあるものに出会うことが多い。陽樹の性格が強いのではないかと思う。 モッコクの葉は長さ3〜7cm。鋸歯はなく(全縁)、厚くて表面は滑らか。裏面も葉脈はほとんど見えない。葉柄は紅紫色を帯びる場合が多く、本種の同定のキーであるが、暗い林の中に生育するものでは赤味を帯びないこともある。春の新葉の色は美しい。果実は直径1.5cm。冬に裂開して中から赤い種子が出る。 庭木にもよく用いられ、根元にセンリョウやマンリョウを寄せ植えして「千両万両持ち込む」と読ませたりする。 |