ブタナ Hypochaeris radicata L. (キク科 エゾコウゾリナ属
 ブタナは荒地や造成法面などで繁茂していることが多い。ライフサイクルとしては、夏にもロゼットで生育しているので、夏草が茂る場所では生育しにくく、夏草が少ないような荒れ地での生育によく対応しているからである。
 ブタナは最近、岡山県北部でも群生するのをよく見かけるようになってきた。30年ほど前に蒜山の研究所に赴任していた頃には、コウゾリナが生育していた刈り取り草地であるが、ブタナは見られなかった。先日久々に来訪してみると、学舎裏の芝生に一面にブタナが生育していた。何度も刈り取りしているのだが、絶えずに繁茂しているという。ロゼットが地面にへばりついているので、草刈りによっても花茎が切り取られるだけで、ロゼット葉にはあまり強いインパクトを与えることができないようである。人が歩いている場所では生育が見られないので、ブタナを衰退させるためには芝生の利用がもっとも効果が高いように見えた。踏み込みの少ない芝生にいったんロゼット型の植物が侵入すると、駆除は大変である。いっそ、刈り取りを中止すればブタナは生育できなくなるのだが・・・・
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