ヒマワリ Helianthus annuus キク科 ヒマワリ属
 ヒマワリは北米原産の一年草。インディアンの重要な食物であったとのこいと。観賞用、種子採取のために栽培され、種子は油を含んでいるのでナッツのように食べたり、油を絞ったりする。冷涼な地域では、高カロリー食品としての位置づけは重要。最近では休耕田などで大規模に栽培されていることもある。

 ヒマワリは草丈2mを越えることもあり、太い茎の頂に大きな花を咲かせ、初夏の風物詩である。ヒマワリは英語ではSun flower、漢字では向日葵と書く。花は太陽に向かって花を開き、太陽の位置にあわせて花を向けるので、「日に向かって回る」がヒマワリの語源であるという。太陽に向かうのは若い時だけで、やがて太陽を追わなくなる。種子を稔らせた頭花は下を向いて頭を垂れてしまう。基本的には、日光が良く当たるように花を向けるので、この撮影地は畑の西側に森林があるので東に花が向いている。

 最近、福島原発の事故に絡んでヒマワリやナタネを栽培し、放射性セシウムを除染しようという試みが話題にあがる。セシウムは植物の栄養素であるカリウムと類似した性質を持っており、植物は吸収してしまう。セシウムは水には溶けるが油には溶けにくいので、収穫したヒマワリの種を絞れば油が取れ、利用することができる。しかしながら、ヒマワリにはセシウムが含まれているので、植物体をどこかに移動させれば畑そのものは除染されることになる。しかし、大量のヒマワリの植物体の処置方法を考えておかないと困ったことになるのは明白。活きているヒマワリにわずかに含まれる放射物質は、乾燥させることによって濃縮されることになるし、最終的に燃焼させれば更に濃縮されてしまうことになるから十分な対処が必要である。
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