クワモドキ(オオブタクサ) Ambrosia trifida L. (キク科 ブタクサ属)
 クワモドキは9月になると茎の先端が枝分かれし、20cm以上の長さの花穂を形成する。長い花穂のほとんどは雄性の頭花であり、傘状に広がった総苞の中に10こ前後(?)の筒状花がある。この雄性花が順次開き、大量の花粉を放出することになる。花粉アレルギーを発生しやすい植物の1つであり、困ったものである。雌花は花穂の最下部に付き、苞葉の腋に形成されるので、ほとんど目立たない。種子は大量にできるとは思われないが、工事跡などに群生するのを見ると、種子寿命が長いのかもしれない。

 ブタクサやクワモドキの花は昆虫を引き寄せる美しい花弁や香り、そして御褒美となる甘い蜜も分泌しない。昆虫に頼らず、風に花粉を乗せて散布する、風媒花である。点々と離れて生育する植物では風媒花は非能率的であり、昆虫によって花粉を媒介する方法が有利である。一方、一面に同じ植物が生育する状況では風媒花が有利である。イネ科植物やカヤツリグサ科植物などは風媒花が多いが、このような植物は群生しなければならない。
花が咲いたクワモドキ(2002/09/16)クワモドキの花序
クワモドキの雄花小さな苞葉腋に形成された雌花

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