オオキンケイギク Coreopsis lanceolata L.  (キク科 ハルシャギク属
 オオキンケイギクは多年草であり、基本的には羽状複葉の根生葉を出す。土手では、刈り取られることもあって、夏の状況がよくわからない。しかし、少なくとも9月頃の二度目の刈り取り以後には葉を広げており、南向きの土手でたっぷりと日の光を浴びて生育している。
 イネ科草本にくらべ、一般に広葉の草本は刈取に弱い。旭川の堤防法面では、定期的な刈取にもかかわらず、オオキンケイギクが繁茂しているが、これは刈り取りの時期や方法の影響によるものではないかと思う。この堤防はオオキンケイギクの花が盛りをすぎ、かなりの花が結実したころに刈り取られる。最初に堤防の法面上部2mほどの幅が乗用の刈り取り機械によって刈り取られる。草刈機はハンマーナイフモアと呼ばれるもので、多数の刃が垂直方向に回転する。刈り取るというより、引き千切るといったイメージである。その後、刈残された路肩の部分が通常の草刈機で人力によって刈り取られる。これは、水平方向に回転する刃によるもので、きれいに刈り取られていく。高水敷も乗用のハンマーナイフモアで刈り取られる。オオキンケイギクの生育状況を見ると、ハンマーナイフモアで刈り取った場所はチガヤなどのイネ科草本が優勢となっており、人手で刈り取った地域ではオオキンケイギクが優勢となっている。ハンマーナイフモアによる刈り取りは、チガヤなどのイネ科草本よりも広葉草本に大きなダメージを与えるのではないかと思われる。
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