リュウノウギク Dendranthema japnicum (Makino) Kitam. (キク科 キク属)
 リュウノウギクは茎が細く、花が咲くと頭を垂れてしまう。秋深くなると、山道の道沿いなどの斜面から垂れ下がった状態で花を咲かせているのによくであう。古生層地域などの肥沃な土壌の場所では、伐採跡地で10年間ほどの期間、群生して見事なお花畑を形成することもある。茎の弱さなどから見ると、急傾斜地が本来の生育地に違いない。崖のわずかな土壌がたまった場所にリュウノウギクが美しい花を咲かせているのを見ると、これが本来の姿ではないかと思えてくる。
 岡山県自然保護センターでは、道端を刈り取る際にリュウノウギクなどは刈り残している。春から夏の間の刈り取りの中、花が咲いていない状態で、ちゃんと刈り残していただける作業員の皆様の同定能力に敬服する。刈り残すと下の画像のように、見事な花を咲かせてくれる。農家の人達も、鎌で草刈りを行っていた時代には、このような美しい花を咲かせる植物には、手加減していたに違いない。
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