サワシロギク Aster rugulosus (キク科 シオン属
 サワシロギクは本州から九州に分布する多年草。主に鉱物質の土壌からなる貧栄養性の湿地に点々と生育する。細い地下茎があり、茎は細いがしっかりとしており堅い。葉も堅くて細長く、下部の葉は長い柄があって7〜17cm。中部の葉は長さ10cmほどで幅1cm前後。縁にはわずかに鋸歯があり、鋸歯の先端は球状の突端となっている。中央脈は凹んで縁は内巻きする傾向がある。縁には微細な堅い毛があり、ざらつく。花は8月から10月にかけて、長く伸びた花茎上に直径3cmほどの頭花を1つ付ける。頭花の花数は少なく、周辺は舌状花で中心部は筒状花。総苞片は3列で円頭。舌状花は最初は白色であるが次第に赤色を帯びてくる。
 分布する湿地に連続性が見られず、隣接する湿地に分布が見られないことも多い。中国地方では暖帯域に分布するが、東に至ると温帯域にも生育すると言う。低地の湿原で本種が生育している場合には、歴史のある湿地であることが多いと考えている。


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