ヨメナ Aster yomena ; Kalimeris yomena  (キク科 シオン属 ; ヨメナ属
 ヨメナの仲間は変異があり、種の同定に困惑することもある。葉の形は、季節によっても異なるし、葉の付く位置によっても変化する。茎の下部に付く葉は卵状披針形で柄があるが、茎の上部に付くものほど細長くなり、葉柄は短くなる。通常数個の鋸歯があるが、最上部のものは時として全縁になる。葉の縁には微毛がある。葉の表面はやや光沢があり、ほとんど毛がないか、散生する程度。裏面は脈上に微毛がある個体もあるし、ほとんど見つからない程度のものまである。
 花に関しても大きさや筒状花の数の違いがあり、戸惑うこともある。昔、この分野の染色体を研究している人達と野を歩いた経験がある。「この株は染色体数が○○本のやつに違いない!」とか、「この株は雑種らしい」とか話しながら株を採取している状況を見ると、種を決めるのに、いちいち染色体を確認しなくてはならないのか・・・同定をほぼあきらめてしまった。染色体数が異なる個体も栄養繁殖で生き残るので、様々な染色体群を持った個体が生育しているのであろう。このような場合、種の概念を大きく設定しすべきであろう。
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