平成19年10月13日、20日の土曜日に、秋の植物画教室を行いました。今回は、岡山理科大学の紹介をかねて、学内の植物をモチーフに選んでいただくことにしました。参加者は27、なんと大阪と愛媛からも参加がありました(西本先生の人気が広がっています)。会場は、岡山理科大学21号館4階の生物学実験室でした。

1日目(10月13日)は、岡山理科大学の紹介をかねて学内会場へ散策に出かけました。もともと山だったところですから、思いのほか、植物の種類が多いのが自慢です。そのかわり、坂道ばかりです。そこで、新しくできた建物25号館のエレベーターで7階まであがり、会場の21号館まで下り調子で散策をすることにしました。参加者の方の中に、「学食を食べてみたいなぁ。」と話されている方がおられたので、今回のルートにある学食4カ所もついでにご案内しました。


学食「理大喫茶」のあたり

 学内全体を回るとすると、それだけで時間が終わってしまいます。そのため、今回のルートは事前に西本先生と歩いて植物の種類が一番多いところを選択しました。ちょうど、キンモクセイが咲き乱れており、良い香りに包まれながら散策がスタートしました。タカオモミジのブーメランのような実や、クサギの強烈な香りと色彩の花、斜面緑化のため散布されたキバナノホソバウンランコナラのどんぐりなどを見ることができました。参加者の方々は、水を入れたビニール袋に気になる植物をあれこれお話ししながら入れていきました。


21号館へ向かう坂道

 Uターンして21号館前にもどると、その近くにノブドウが緑から青への豊かな色彩の変化を見せていました。この時期のノブドウの実は毎日見ても飽きません。散策の途中にもノブドウはありましたが、こちらの方が良いので描かれる方におすすめしました。
 21号館4階生物実験室へと戻り、モチーフを選びました。美しさをとるか、書きやすさをとるかという選択に頭を悩ます方もおられました。マンジュシャゲ(ヒガンバナ)を選ばれている方がおり、鮮やかな赤が目を楽しませてくれました。さて、モチーフを選んだら、オアシス(きめの細かい発砲スチロール)で角度を調節してスケッチ開始です。1回目はスケッチのみです。

今回のテキストはこちら。(PDF6.89MB



 2回目(10月20日)は彩色です。西本先生による注意と説明があり、早速開始です。初心者の方は、初めの一塗りに勇気がいるようです。薄い色を塗り重ねることを何度も確認し、じっくりと色の作成に取り組まれていました。この観察会では、パレット、筆、絵の具などこちらで準備していますが、パレットをご持参されれば、使った絵の具をそのままお持ち帰りできます。つまり、そのとき作った色をご自宅でも続けて使うことができます。そのため、参加者の方にはパレットご持参をお願いしています。西本先生もお話しされていましたが、絵の具に書いてある色の名前は販売会社によって様々であり、観察会で作成した色をそのまま使えるというのは良いことなのです。
 また、教卓前には西本先生による今回のモチーフの植物画が額縁に入ってありました。色を塗り重ねているのに、逆に透明感が出ている様子は何度見ても不思議に思います。参加者の方々も色の作成や塗り重ね方を参考にするため、何度も見ておられました。


 観察会終了時には、皆さんの作品を提出していただきました。提出していただいた作品は、西本先生が型紙を使った額を貼り付けてお返ししており、大変好評です。

 完成した作品一覧はこちらです。

 会場では、西本先生がこれまで出版された「初心者のための植物画」「やさしく学ぶ植物画」の2冊と最新作「花のポートレイト 秋・冬」、それぞれの下絵が専用の用紙に印刷されている「ぬり絵」が販売されました。


西本先生による今回のモチーフの植物画

<西本先生情報>
●西本先生のブログ「花の絵日記」:新聞掲載の線画の他、指導教室の情報があります。
http://blog.hananoe.net/

●西本先生は、アメリカで開催された「ハント国際植物画展」へ招待され、出席されました。
2007年10月2日のブログには、会場での写真が掲載されています。
ハント国際植物画展のホームページアドレス
http://huntbot.andrew.cmu.edu/HIBD/Exhibitions/Exhibitions.shtml
活躍の舞台は日本だけでなく、世界規模へ。新人発掘目的の展覧会です。ハントのホームページには、3名の方の植物画が掲載されています。これをみると描く人の個性が出るのがよくわかりました。西本先生は、次回(3年後)も参加したいとのお話をされていました。