保全への意志なくして周防灘の貝類を語るなかれ

福田 宏(東京都立理学研究科→岡山大学農学部・水系保全)







福田さんの話では、20年前にはごく普通種であった貝が絶滅に瀕しているという。
絶滅に瀕している貝の内、誰でもわかるものにハマグリがあげられていた。
ハマグリ・・・! どうもおかしいと思っていた。近年、妙にハマグリが食卓に上る。
最近のハマグリは韓国などからの輸入物であった。

普通種であった貝が取れなくなった例が次々にあげられる。これも、この貝も・・・
このような今では貴重となってしまった貝や、元々貴重な貝が多数この周防灘に生き残っている。
瀬戸内はむろんのこと、九州の干潟における貝類の激減のなか、周防灘には生き残っているのである。
「最後の楽園」はまさに大げさではない事が強く印象に残った。

中国電力の提出したアセスメントには、多くの不備があった。
建設予定地における優占種ですら、同定間違いがあった。
棲息している貝類のわずか30%程度しか、記載されていない。
同定困難な種に関して、専門家に同定を仰ぐこともしていない。
アセスメント法の施行直前の駆け込みアセスであるが、内容は駆け込める程度のものではない。
なお、福田さんは8/1、岡山大学に着任されました。
瀬戸内の海を守るための確固たる基盤を構築された事をお喜びいたします。

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