ゴカイ類とナメクジウオ
−豊かな漁業を支える豊かな生態系−

佐藤正典(鹿児島大学理学部)





佐藤さんはゴカイの専門家である。
原発予定地の長島ではオミナエシフサゴカイという大型のゴカイが棲息しているという。
このゴカイは佐藤さんの地元である鹿児島県で発見され、学名が付けられたものであるが、
本家の鹿児島ではすでに絶滅してしまったという。
おまけに、瀬戸内海では長島が初記載であるという。
周防灘はやはり特別な場所であるという印象がますます強くなった。

調査では、ナメクジウオが多数棲息していることが確認された。
昔は瀬戸内海各地にも多数棲息していたが、現在は絶滅危急種に指定された種である。
ナメクジウオが多数棲息していることは、周防灘の環境が良好なまま維持されている事を示している。
この地域で漁業が盛んであるのも、まさに良好な環境であることが証明されているといえよう。

瀬戸内海において絶滅が心配されているナメクジウオの棲息が確認されているにもかかわらず、
保護保全の対象として取り上げていないというアセスメントのスタイルには、大きな疑問を感じます。

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