2018年の談話室

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10/28 ドローンがやってきた


湿原を上から眺めてみたいという欲望は強くあった。
元々湿原植生は小さくて、相対的には巨人である人間が上から眺めているわけなのだが
もっと上から俯瞰してみたいという気持ちである。
湿原の周辺の樹木に登り、上から眺めるという作業は多くの湿原で試みた。
しかしながら、湿原の周辺に生育する樹木からの眺望程度ではとても満足できるものではない。



自然保護センターの湿原では、自然の遷移に伴って本来はそうなって欲しくない
カモノハシが大きく株を形成して生長し、湿原を覆い隠してしまう状態となってしまった。
1つは湿原の遷移であり、次第に生育している植物が栄養分を蓄積し
大きく育つようになってしまった。
放置しておけば植物は蓄財して豊かになってしまう実態を証明したといえよう。

もう1つの問題点は、これも自然の摂理なのであるが
土砂が流れ出て水路が明確化し、深く掘れたために水位が相対的に低下し
乾燥化してしまった部分が広くなりつつある点であった。

湿原から流れ出る土砂と流れ出る土砂のバランスで湿原内の地形が形成される。
流れ込む土砂がほとんどない岡山県自然保護センターの湿原では
流れ出た土砂を補うために、外部から土砂を供給してやる必要がある。
今後、刈り取りによる湿原内有機物の搬出と、土砂の供給作業が待ち構えている。

5/30 ホームページ雑感
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最近、植物雑学事典のフォーマットが変わったのにお気づきであろうか。
長い歴史の中で、時々変化してきたのだが
なぜそうなったのかを文章にしておきたいと思う。

ホームページを立ち上げたのは、生物地球システム学科・数理情報学科・シミュレーション物理学科、社会情報学科を包含する総合情報学部を設置して間もない2000年の5月2日であった。
当時はいくつかの例外項目以外では、学科増抑制の時代であり、例外項目の一つの
「情報」をキーワードに学科を再編・新設したわけである。
総合情報学部なので、各自ホームページぐらい作れなくては、ということだった。
メモ帳で簡単なタクを組み、アップロードするとネット上に表示される。
「オッ! 簡単ではないか!」

そのころの悩みとしては、学生さんが植物を知らない状態の中で植物に関する講義を行わなくてはならないということであり、当時はトランスペアレントシートに画像を印刷しておき、OHP(オーバーヘットプロジェクター)で提示してはいたのだが、大変な作業であり、簡単な仕事ではなかった。
同時に「植物歳時記」と名づけたリーフレットを印刷して配布していたのだが
このようなニーズがまとまって、「植物雑学事典」の誕生となった。

同時に講義ノートも作り、ノートにリンクを張って、講義で出てくる植物の画像と解説がみられるように
というわけであり、当時は学内アドレスからのみアクセスできる限定的公開であった。
次第にパソコン保有数が増えるにしたがって、学内マシンからだけではなく
下宿からもアクセスしたいとの要望が高くなり、ある程度の種数が掲載できたという状況になったこともあって
植物雑学事典は世に出ることになった。

当時の通信環境は今から思えば大変劣悪であり、まず文字がパラパラと表示され
しばらくして画像の一部が・・・やがて全体が表示される、といったものであった。
時には画像の一部が表示されず、再読み込みを行って初めて全体が見える、という遅さであった。

このような状態であったので、まず文章があって、それを読んでもらっている間に
やがて画像が表示されるでしょう・・・という構成であり
まず文章があり、その下に画像が数枚あって、可能な限りタグも少なく、パソコンやネットに負担をかけないことに心がけたのが当初のスタイルである。

すなわち、上と下にラインがあり、その間にまず文章があって、その後に数枚の画像があるもので
現在もそのようなページが少なからず残っている。



やがて、ページを印刷したいという声が届くようになった。
自然観察会などで資料として配布したいので、許諾を求めると同時に、印刷しやすいようにしてくれ
という結構あつかましい要望である。
プロテクトをかけていないので画像と文章をコピーしてパンフレットを構成すればよいのであるが
そのような技術を使えない人たちがたくさん居たという時代であった。

HPのページを印刷すると、A4に収まる形に留意するようにしたのが次のスタイルである。



字の大きさは閲覧者の自由にしているので、字の大きさによってずれが出てくるのは致し方ない。
ただ、全画面で見ると文章が横にダラダラと広がってしまってみっともない。
そこで、枠のなかに入れ込むこととして、印刷すればA4に美しくレイアウトされる設定とした。



ただ、この方式を採用すると、字数や画像の枚数が制限される。
画像や文章をもっと書きたいという、小生の欲望は満たされないことになる。
その結果、たくさんのファイルを連結して内容を示すことになる。

このような葛藤があったわけですが、巨大なファイルでも簡単に送受信でき
タブレットやスマホが利用のかなりの部分を占めてくる状況では、さまざまな制約を気にする必要も無い。
そんなことから、制約をすべて撤廃することにいたしました。
大変、大きなページが出現することになりますが、作る者としては大変楽になりました。

また、スマホやタブレットからのアクセスも多くなっているようで
名札にQRコードが記されていて、そこから飛び込んでくる閲覧者もある。
このような利用では、まず「文字」ではなく画像という使い方が多いであろう。
このことから、まず全体像がわかる画像があって、それから詳細部分が、さらに詳細部分へという配列にした。
現時点でHPを作るとすれば、この方式になったはずである。

現在は大学のサーバーを利用しての発信ですが
今後どのようにするか、本年度中に結論を出す必要があります。

1/4 本年もよろしくお願いいたします
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2017年12月21日、モニタリング1000の会議で東京に赴くときの富士山

○昨年は、国際情勢とともに国内政治も激動の一年でした。

○大学としては、マスコミをにぎわした一年でした。
理不尽なマスコミの取材と報道の中、長年の念願であった獣医学部がスタートできる段階となりました。
今後は充実した教育と研究が行えるよう、整備の段階であると思いますが
いくつも問題が残っており、今後も山坂を乗り越えるパワーが必要であると思います。

○岡山理科大学に奉職し、46年の歳月が過ぎようとしております。
この間、思い起こせば、お世話になった人数知れず
ご迷惑をおかけした人数知れず
やり残した事数知れず
いままで前ばかり見てきた人生でしたが、仕事納めに向かって振り返ることも楽しい昨今となりました。

○後始末の期間のつもりではありますが、新しい仕事が何食わぬ顔で入ってきます。
役職に就いていた期間中、十分に働いてこなかった分、ちゃんと仕事をしてください!といったことなのでしょうか。
面白い仕事がたくさんやってきています。

○百年計画の湿原のモニタリングなどもその一つです。
あと何年現場で調査ができるのか不安ではありますが、できる年月の間で将来の調査者を育てなくてはなりません。
研究して面白いというだけではなく、継承が大切であると思い知らされます。

○オニバスの研究も古くて新しい研究です。
こんなにオニバスと向き合ったことはありませんでした。
理解していたつもりだったのですが「オットどっこい エーそんな生き様なのですか!」研究って楽しいですね。
新しいことってすばらしい。

○昨年は住まいする赤磐市を走り回りました。
日本や世界に眼が向いていたのですが、住んでいる何の変哲も無い普段着の自然を歩き回り、足元を見て回りました。
思わぬ発見がいくつもあり、広い俯瞰的な視点も必要ですが、足元をジックリと眺めることも必要であることを実感しました。

○気づかぬうちに、太陽光発電が緑の野山を切り崩して作られ始めています。
自然に優しいという触れ込みのソーラーですが、緑を破壊して数百ヘクタールのメガソーラーが作られることが正しいか、今一度立ち止まって考える必要があります。
現在は環境アセスメントの対象外となっていますが、自然に優しいという前提であるからこそでした。

○昨年は、沖縄など南の島に惹かれました。
沖縄の植物を見ると闘志がムラムラとわきます。
今までの膨大な資料を整理すると共に、それを明日に展開しようと思います。

2018年1月1日、岡山市後楽園でのタンチョウの飛翔風景
○本年は「動かず」の正月で、元旦に後楽園でタンチョウヅルの飛翔を拝んでまいりました。
見慣れているタンチョウですが、4羽の飛翔は迫力満点ですばらしいものでした。
ただ、鳥を対象としたカメラの操作習熟が十分ではなく、絵的にはいまいちでした。

本年が皆様にとりまして すばらしい一年になりますよう お祈りいたします


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