身近な生物学T 春1学期
1.生物の系統と進化
     原始地球で誕生した生命は発展し、また絶滅し、現在の姿に進化してきた。これらの系統と進化の仕組みについて考えてみたい。観点の1つは多様性と多用性あるいは特殊化と汎用化であるし、水中での生息・生育と陸上生活である。

    ○生命が発生するための環境条件は何か?

    ○生命が多様化(特殊化)するための環境条件は何か?

    ○活発に活動できる動物が出現するための環境条件はなにか?

     どのようにして有機物が形成されたのか、あるいは地球外からもたらされたのか? どちらにしろ生命の発生には有機物が必要であった。したがって、「生命が発生するための環境条件」としては、有機物が合成され、蓄積されていくことが必要であるということになる。

     地球上に有機物が貯まった段階で、生命が誕生することになる。誕生した生命は、貯まっている有機物を消費することによって生物としての活動を行うことになる。すなわち、食料としての有機物の消費であり、その結果有機物は次第に減少することになる。その後の世界はどのようになっていくであろうか?

    参考:太陽系の元素組成

読みきり囲み記事
     生命の誕生には、液体の水が必要であった。水は非常に優秀な溶媒であり、たくさんの種類の物質を溶解させ、イオンとして電離させることができる。その結果、化学反応の場として機能することになる。1気圧の条件下では、0℃以下で固体となり、化学反応の場としての機能は失われる。また、100℃以上では気体となり、同様である。従って、地表面が0〜100℃範囲内になり、水が液体として存在する温度で安定するとき、生命が誕生する可能性があるといえよう。
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