生態学概論 Introduction to Ecology (2)
Q10 化学反応の多くは温度によって反応速度が影響される(熱化学反応)。温度が10℃上昇すると、化学反応の速度が何倍になるかを指数化したものがQ10である。通常、この数値は2〜3の値をとる。すなわち、10℃あがるごとに、反応速度は2倍から3倍になるわけである。このような化学反応の温度に対する速度は、生物体内の化学反応でもほぼ同様である。したがって、変温動物では、体温の変化が大きく体内環境の生理に影響を与えることになる。哺乳類などの恒温動物では、このような体温の変化を最低限にコントロールすることによって、高度な能力を発揮できているといえよう。 |
モル濃度凝固点降下 水に溶解している物質が多ければ多いほど、凝固点は低くなる。例えば、真水は0℃で凍るが、食塩が溶け込んでいる海水は更に低い温度でなければ、氷結しない。凝固点の低下は、溶けている物質の粒の数(モル数)に比例する。したがって、大きな分子が1つ溶けているよりも、小さな分子が多数あるほうがより低温に対して強いことになる。 |