・ エビモ
 
 エビモは保全区域の造成時に、生育基盤として移設された底泥と共に保全区域内に侵入し定着したものです。本種はイトクズモと同じ沈水植物であり、生育に適する環境が類似しています。今年度はひょうたん池、側水路で生育が確認され、特にひょうたん池においてよく生育し、渇水時を除いてほぼ1年中生育が確認されました。昨年度と同様に、秋から冬にかけて生育量が増加しており、ひょうたん池では1月に、イトクズモの生育を脅かす程度(植被率約40%)まで増加しました。このため、その際には熊手を用いた伐根作業を行いました。これにより、その後の生育量の増加は観察されず、ある程度(植被率約20%)生育量を抑制することができました。昨年度の観察でエビモは、全般的に冬期に生育量が増加していたものの、4月以降生育が減少していました。このためエビモは1〜3月に生長の最盛期を迎え、4〜6月に主な生長期間を持つイトクズモと、季節的な住み分けを行っている可能性も考えられます。これらからエビモについては、当面イトクズモへの影響は少ないものと考えられますが、イトクズモの生育適期である4〜6月に過剰な繁茂が確認された場合は、その対応策を検討する必要があります。
 
写真 ひょうたん池内に生育するエビモ(H12.11.20)

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