侵入植物(本来生育していない植物)
ミゾソバ・アキノウナギツカミ・ウナギツカミ・アメリカセンダングサ・クマイチゴ・ノブドウ・イボタノキなどの侵入が確認された。これらの植物は、1984年の調査においては生育が確認されていない種であり、その生育量をあわせて考えると、この地域の植生は大きく変質しつつある実態が明らかとなった。
ミゾソバやアキノウナギツカミ、ウナギツカミなどの植物は、水田雑草あるいは水田周辺などのやや富栄養な水湿地に生育する植物である。アメリカセンダングサは好窒素植物として有名な帰化植物であり、水環境としてはかなりの富栄養な状況が発生していることが推察された。
一方、クマイチゴ・ノブドウ・イボナノキ・ノブドウ・タラノキなどの種は、森林の伐採跡地などに生育する植物であり、土壌が栄養分を含んでいると共に、乾燥化していることが推察された。
群生するミゾソバ(左:遠景、右:近景)
これらの写真はリュウキンカあるいはビッチュウフウロの群生地と同じ場所あるいは隣接した場所である。ミゾソバの繁茂は、早春に展葉し、開花するリュウキンカには大きな生育障害とはならない可能性があるが、生育期間が重なるビッチュウフウロはミゾソバに覆われており、大きなダメージとなっている。