追跡調査 その6 (2000年9月5日)


 ミゾソバの群生があった場所に行って見て、びっくりしました。ミゾソバの生育がほとんど見られません。一部、水が十分に回っていない場所で生育が見られたものの、全体では、あれほど群生していたミゾソバは、カサスゲやビッチュウフウロに覆われている状態であり、開花はほとんど見られません。

 写真では見難いですが、ミゾソバの群生は見られません。
カサスゲやビッチュウフウロが見られます。
前年の写真





 ミゾソバの生育が見られなくなった場所では、ビッチュウフウロの開花が見られますが、いまだ昔のような状態ではありません。全体的には、カサスゲが優勢です。昨年まではミゾソバがカサスゲを押し倒していましたので見えなかっただけかもわかりませんが。今までの調査で、日照不足になるとカサスゲが優勢となることがわかっていますので、日照を阻害している周辺の常緑樹(アセビ)を少々伐採すれば、照度がやや改善され、ビッチュウフウロが増加するものと思われます。今年の冬の仕事になりそうです。




 完全にミゾソバやタラノキ、アメリカセンダングサ、クマイチゴなどを撲滅できているわけではありません。この写真の中心部ではミゾソバの生育が見られ、右端にはタラノキの生育が見られます。しかし、湿原中心部ではアメリカセンダングサやクマイチゴの生育は見られない段階まで回復できました。この写真に写っている場所は、今回のシリーズの中では、水をまわすことが出来なかった場所です。ここも今年の冬の課題です。

 現状までの評価としては、土嚢による水路の浸食防止は、大きな成果をあげており、一安心の追跡調査でした。




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