ウマノスズクサ Aristolochia debilis (ウマノスズクサ科 ウマノスズクサ属)



 ウマノスズクサは多年生のツル植物。本種から九州、中国にも分布する。小川の岸、土手などの草地に生育し、長い地下茎がある。あまり多い植物ではない。
 花の形は独特なもので、長い柄の先に球状の部分があり、これからラッパ状の花筒が伸びている。実はこの花筒は萼が伸びたものだそうで、球状の部分とその先のラッパは萼が合わさって変化したものであって、花弁はないことになる。この球状の部分の内部に6本の雄しべと1本の雌しべがある。和名はこの球状の部分を馬に付けた鈴に見立てたものとなっている。花筒の開口部は上方に開いていることが多く、雨が降ったら水が降り込みそうである。屈曲した花筒の奥に雌しべと雄しべがあるわけであり、訪花昆虫も限られているのではないかと思う。ウマノスズクサはジャコウアゲハの食草である。
ウマノスズクサ
ウマノスズクサ(花)ウマノスズクサ(花)
 後日談:花を開いてみると、鈴の部分の中に黒い小さなハエが数匹はいっていた。どうやらショウジョウバエのようである。

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