ヤマハンノキ Alnus hirsuta (カバノキ科 ハンノキ属
 ヤマハンノキは日本全国、朝鮮・中国・樺太・カムチャッカ・東シベリアに分布する落葉高木。ハンノキ属共通の性質である、空中窒素の固定能力のため、砂防や緑化などにも利用されたので、本来の生育地がわからなくなってしまった感がある。オオバヤシャブシなどよりも高い海抜の場所に生育する傾向があり、尾根や崩壊地のほか、河原や水路の周辺などにも生育する。
 葉は卵円形で濃い緑色である。縁には不ぞろいの深い鋸歯があるのが特徴であり、表面は無毛で裏面は粉白色であり、脈上に毛がある。雌雄同株であり、秋から長い雄花序と小さな雌花序を形成する。秋の段階では緑色であるが、やがて黒紫色になる。花が開くのは3月から4月。直径2cmほどの松かさ状の球状果を形成し、中には羽のある種子が形成される。
 類似の種に、裏面が黄褐色でビロード状の毛があるケヤマハンノキがある。
ヤマハンノキヤマハンノキの花序:中央に雄花序、右側に小さな雌花序がある。
ヤマハンノキの葉裏面の拡大:粉白色であり,脈上に毛がある。


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