ヤマアイ Mercurialis leiocarpa (トウダイグサ科 ヤマアイ属)
 ヤマアイは本州、四国、九州、南西諸島に生育し、朝鮮から中国、台湾などにも広く分布する多年生草本。落葉樹林の林縁や河畔、渓谷沿いなどのやや湿潤な場所に生育する。人間くさい所に生育することから、古代の帰化植物ではないかと考えられている。地下茎で繁殖し、地面を覆って群落を形成する。葉は長さ10cm前後、立った毛が散生する。葉は青味がかっており、群落を形成していると、その場所が周辺に比べて青黒く見える。花は真冬から咲き始め、春には花柄を長くのばして高くなる。雌雄異株であり、下の花の画像は雄株である。顎片、花弁ともに3枚。
 ヤマアイは標本にすると青色が濃くなる。このような性質を利用し、絞り汁で染色を行った。現在の藍染めが渡来するまでは、日本における最古の染色に用いる植物であった。
地下茎で繁殖し群生するヤマアイヤマアイ
ヤマアイの花序ヤマアイの花
葉の表面(毛が散生)葉の裏面
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