アラカシ Quercus glauca Thunb. (ブナ科 コナラ属) |
アラカシは本州(宮城県、石川県以西)・四国・九州・沖縄、朝鮮からアジア東南部に分布する常緑の高木。岡山県に分布する常緑のカシ類としては最も普通の種である。現在、斜面下部などで生長しつつあり、近い将来アラカシの優占した常緑広葉樹林が各地で見られるようになるであろう。常緑カシの中では二次林的性格が強く、萌芽性が高く、多幹になっているものも多い。急傾斜地などの不安定な立地に生育するのが本来の姿ではないかと思う。 生け垣にもよく植栽されており、棒ガシなどとも呼ばれている。植栽する際に棒のように切りつめて植栽するからではなかろうか。関東地方ではシラカシによる生け垣が多いが、中国地方の温暖な地域ではシラカシが分布していないことが多く、アラカシが主役である。シラカシに比べて芽だしが早く、ほぼ落葉樹の芽出しと同じ時期に新芽が出て、春の到来を感じることができる。 アラカシの葉はうどん粉病にかかりやすい点は、庭木としては欠点であろう。葉の表面に粉を吹いたような病斑ができ、次第に広がっていく。秋から春にかけ、日陰の葉がかかることが多いが、日向の葉にも発生することがある。 勢いの良い若木の樹皮は平滑であるが、生長した木の樹皮は小さな凹凸がある。 |