オートグラフ・ツリー Clusia rosea  (オトギリソウ科 クルシア属
 Autograph tree または Signature tree とも呼ばれる。どちらも自署(サイン)の木といった訳になる。西インド諸島から南米北部に分布する常緑小高木。ハワイには装飾用に導入されたとの事。果実は熟すと開いて堅い星型になり、これが独特な形で装飾品になるらしい。葉は厚くて丈夫であり、長さ12.5〜20cm。表側の濃い緑色の部分を尖ったもので引っかくと、傷跡はそのまま残って葉が枯れてしまわない限り、その跡が残る。字や絵などを書くことができるので、サインの木という名前を頂戴したわけである。タラヨウセイヨウバクチノキなども字を書くことができるが、オートグラフ・ツリーの場合は、表側の層(柵状組織?)を引っかいてしまうので、字が書ける仕組みは異なる。深い傷をつけてもそれ以上傷が広がらないのであろう。ちなみに、葉に記されている年月からは、葉の寿命は3年ほどのようであった。なお、この樹木は鳥によって種子が散布され、樹上で芽生えて長い根を出して生育し、やがてホストを絞め殺してしまう問題の樹木との事である。
オートグラフ・ツリーオートグラフ・ツリー Clusia rosea の葉
オートグラフ・ツリー Clusia rosea の果実葉に書かれたサイン
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