ノグルミ Platycarya strobelaceae (クルミ科 ノグルミ属)
 ノグルミの花は6月頃に咲く。雄花序、雌花序ともに原始的な形態を残しており、裸子植物のものと似ている。花被片(花弁)はなく、風媒花である。雄花序は新しい枝の先端に上向きに付き、尾状で長さ4〜10cm。多数の花からなり、雄花は1枚の苞葉と2枚の小苞葉に包まれ、その中に8本の雄しべがある。苞葉は突出して、反りかえる。雌花序は長楕円形で長さ1.5〜2cm。1枚の長い被針形の苞葉と2枚の小苞葉が合一した三角形の小苞葉に包まれ、中心に1つの雌しべがある。
 果実は長く残り、春の新芽が出る頃以降に落下する。果実が飛散した後の松かさ状の果実には鋭い鱗片状の苞葉がそのまま残っており、キツネのカミスキとかサルのクシなどと呼ぶ地方もある。種子は風に乗って散布される。
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