アケビ  Akebia quinata (Thunb.) Decaisne (アケビ科 アケビ属
 アケビは本州から九州、中国に分布する落葉性のツル植物。岡山県の沿岸部ではアケビは少なく、ミツバアケビが優勢である。古生層地域では沿岸部でもアケビの生育が見られることから、気温ではなく、降水量などの水分条件が分布に関与しているものと思われ、ミツバアケビよりも水分の多い場所に生育するものと思われる。4月から5月にかけ、総状の花序を付ける。雄花・雌花ともに顎が大きく、花弁のように見える。雄花は多数付き、直径は10〜16mm。雌花は数個付き、直径25〜30mmで大きく、中心部に3〜6個の雌しべがある。
 よく似た仲間にはミツバアケビ (小葉が3枚)、両者の中間の形態を持つゴヨウアケビ、常緑のムベなどがある。アケビの仲間は、果実が熟すと割れて中の白い果肉が見えるようになる。その姿を「開け実」とよんでいたことが、名前の由来。アケビの果肉は甘くておいしいが、種がたくさん入っており、思うほどには腹の足しにはならない。結局の所、種子の散布には大いに貢献することになってしまう。
アケビの葉アケビの花序
アケビの雄花アケビの雌花
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