ハマビワ Litsea japonica (クスノキ科 ハマビワ属)
 ハマビワは本州西部以西の海岸に生育する常緑の低木。葉は大きくて長さは15cmほど、厚くて裏面には毛が密生している。葉がビワに似ており、海岸に生育しているのでハマビワの名がついた、ということになっているが、きょ歯がないことや、厚ぼったい点などビワとはかなり違った質感の葉である。
 クスノキ科の植物であるが、そのイメージはない。同属の植物にはカゴノキがあるが、これとも共通点があるようには見えない。海岸という特殊な立地に対応したためなのであろう。
 ハマビワは岡山県には産しない。海岸らしい海岸が少ないこともあるが、瀬戸内海の冬の乾燥と気温低下が厳しいためであると思われる。瀬戸内海の中心部では、同様に多くの海岸性あるいは沿岸性の常緑樹が欠落する傾向が高い。埋め立てや護岸工事などの問題もあるが、もともと海岸植生は貧弱な地域である。
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