イヌガシ  Neolitsea aciculata (Bl.) Koidz.   (クスノキ科 シロダモ属
 イヌガシは本州の関東南部以西・四国・九州・琉球・朝鮮南部に分布する常緑小高木。温暖な地方にやや普通とされるが、瀬戸内の岡山県沿岸域では社叢林に稀産する程度である。陽地を好むようであり、日当たりの良い開けた場所では盛大に花をつけた個体を見ることがある。
 花は早春から咲き始める。雌雄異株であり、雌株の花は数が少なく落ち着いた感じでとなる。果実は当年の秋に黒紫色に熟する。和名のイヌガシは、カシに似ているがそれにあらずの意。また別名でマツラニッケイとも呼ばれる。
 イヌガシはシロダモとよく似ているが、葉の裏はシロダモのように輝くほど白くはない点。ヤブニッケイとも似ているが、イヌガシの葉はヤブニッケイよりも長い点で区別できるだろう。無論、花や実があれば確実に見分けられる。
文章・画像:太田 謙
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