ニッケイ Cinnamomum okinawaense Hatsusima (クスノキ科 ニッケイ属) |
ニッケイは「肉桂」であり、ニッケイやニッケなどの呼び方よりも、最近はシナモンと呼ぶ方が多くなった。元々は、「桂」の根から採取したものが肉桂であり、その呼び方が転じて樹木そのものをニッケイと呼ぶようになったものと思われる。漢方では、樹皮を桂皮(ケイヒ)、小枝を刻んだものを桂枝(ケイシ)と呼ぶ。肉桂はお菓子やカレーのスパイスなどとして使われており京都銘菓の八つ橋やシナモンティーなどを味わった方も多いと思います。 植物全体に芳香があり、葉はこの仲間の特徴である明瞭な三行脈がある。葉質はこの仲間では最もしっかりしており、端正で美しい。温暖な地域ではよく植栽されたが、産業として発展するまでには至らず、放置された。野化したものもあるとのことで、岡山県では沿岸部の森林に時折見られると言う。本学にも8号館前に植栽したものが1本ある。成長はかなり良好であり、15年ほどで、大木に育ってしまった。 これらの栽培されたもの、あるいはそれが野化したものは、沖縄北部本島北部から徳之島などに自生が確認された。現在大量に輸入されている肉桂は、これと同種であるという意見と、別種であり、C. sieboldeii であるとする説がある。 |