ヤブニッケイ Cinnamomum japonicum (クスノキ科 ニッケイ属) |
ヤブニッケイは関東・北陸以西の本州・四国・九州・琉球に分布する常緑の高木。高さ10mほどになるが、高木層を形成するほどには高くならない。温暖な森林に生育し、東アジアの暖温帯に分布している。暖地の二次林には良く見られる種であり、時としてクスノキやシロダモの芽生えと区別しにくい場合がある。花は6月に咲き、果実は秋に黒紫色に熟す。 ヤブニッケイの葉には、葉脈上に点々と虫こぶができる。ニッケイトガリキジラミが作るニッケイハミャクイボフシという虫こぶである。裏面の凹みに1匹張り付いているらしい。クスノキにもよく似たものができるが、ヤブニッケイの場合は、葉脈上や葉脈に沿ってできるのが特徴である。
関東地方以西の段温帯域に生育するが、世界的には中国南部の沿岸域から朝鮮、日本に生育する。和名は藪に生える肉桂の意味であり、ニッケイに比べて香りが劣ることを意味しており、香りはとてもニッケイにはかなわないが、ニッケイと類似した使い方もされるらしい。
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