ヤドリギ Viscum album var. coloratum (ヤドリギ科 ヤドリギ属) |
ヤドリギは北海道から九州、朝鮮・中国に分布する寄生性の常緑樹。エノキ・ブナ・ミズナラ・クリなどの落葉高木に寄生する。果実は鳥によって散布される。果肉は粘液を含んでおり、枝などにひっついて定着する。発芽したヤドリギは根を幹の中に食い込ませ、樹木から水分と養分を吸収する。葉は肉厚で対生。茎は二股に分かれ、折れやすいので、強い風が吹いた後などでは、折れて落ちていることもある。早春に枝先に黄色い小さな花が咲くというが、ここではまだのようであった。果実は秋に黄色く熟す。 この画像は鳥取県大山の山麓、鏡ヶ成で撮影したものである。この地域にはミズナラやブナの大木がたくさんあり、冬になるとヤドリギの着生が目立つ。当地を見ていると、ヤドリギはブナ林に多いのかと誤解してしまうが、実際には低地でもエノキの大木にたくさん付いていることがある。ヤドリギの分布は広いのであるが、着生できるほどの落葉樹の大木が少ないのが現状で、ヤドリギは困っているに違いない。 落葉樹と常緑の組み合わせ、落葉樹の葉が落ちている秋から春の期間を利用するのであろう。寄生とはいえ、あまり大きく育つこともなく、家主が休んでいる期間を主に利用するので、家主には重大な被害をあたえていないのではないかと思う。 |