エゾミソハギ Lythrum salicaria (ミソハギ科 ミソハギ属)
 エゾミソハギは中栄養の湿地に生育する多年草。蝦夷が付くように、北の地域で多いが、西南日本各地でも分布することが知られている。岡山県ではミソハギが多く、小生はエゾミソハギの分布を確認していない。基本的には北方系であり、温暖な地方では湿地に遺存的に分布しているのではないかと思う。世界的なエゾミソハギの分布は非常に広い。ヨーロッパ、アジア、アフリカ北部、北アメリカ、オーストラリアに分布する。
 エゾミソハギは、茎や葉に毛があり、葉の基部は茎を抱く。ミソハギは無毛である点で区別できる。草の姿はエゾミソハギの方が大きくなり、枝分かれが荒い傾向があるが、これは区別点としては使いにくい。エゾミソハギとミソハギには中間型があって区別に困ることがある。毛に関しても少ないものから多いものがあり、北アメリカのものは日本のエゾミソハギに比べて毛が多かった。これほど毛が多いと同定は簡単なのであるが、日本の場合には、注意しないと毛があることがわからない程度のことが多い。葉の形にしても茎を抱くか抱かないかも判断が難しい。英語名は Purple Loosestrife ;Loosestrifeは、クサレダマの仲間を指すとのこと。ちょっとイメージが異なるが、湿地に生育するということでは共通性があるのであろうか。
ヨシ群落の中で、高さ2m近くになって花を咲かせるエゾミソハギ(北海道利尻島南浜湿原)
エゾミソハギ Lythrum salicaria (北海道礼文島久種湖)エゾミソハギ Lythrum salicaria (北海道礼文島久種湖)
エゾミソハギの花エゾミソハギの顎筒
エゾミソハギの葉表面(Boston, USA)エゾミソハギの葉 裏面(Boston, USA)
茎の毛と葉の基部(北海道礼文島)毛が多いエゾミソハギ (Boston, USA)
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