ミズマツバ Rotala pusilla (ミソハギ科 キカシグサ属)
 ミズマツバは、本州から琉球、朝鮮、中国、フィリピン、インド、アフリカなどに広く分布する、小型の一年草。茎の基部は地面を這い、高さは3から10センチ。葉は3から4枚輪生し、長さ1センチ以下、幅2ミリほど。主に水田に生え、山際からの湧水が見られるような山間の小さな水田のほか、干拓地など地下水位の高い地域の水田や管理休耕田でも見かける。いずれの生育地も、耕作の終了した後も土壌にある程度の湿り気が残される水田であり、圃場整備が行届いて乾田化の進んだ水田では、まずお目にかかれない。
 現行の環境省RDBには、ミズマツバやヒメミソハギなど数種の水田雑草が取上げられている。また、近年では圃場整備や農道、農業用排水路の整備においても、自然環境に配慮した事業の実施が試みられている。しかし、「作物生産工場」である現代の農村において、「自然環境に配慮する」ことは簡単ではなく、なかなか困難な課題が多いようである。
ミズマツバ確認された山間の小さな水田
ミズマツバミズマツバの花ミズマツバの刮ハ
 
文章・画像:森定 伸

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