イチジク Ficus carica (クワ科 イチジク属)
イチジクは東南アジア原産の落葉果樹。日本には1600年代に渡来したという。漢字では「無花果」と書くように、花が咲かないのに果実がなるように見える。果実の内側につぼみができ、種子ができる。イチジクを食べるときのシャリシャリしたものが実はイチジクの種子である。受粉はイヌビワと同様に、小型のハチによって行われるという。
東南アジアが原産地であるので、寒冷な地方では栽培できないが、温暖な地域では広く栽培されている。生育は水分の多い場所が適しており、田圃の周辺や、水路沿いなどに植栽されてきた。近年は水田の転換作物としても注目されている。挿し木で容易に殖やすことができる。
傷付けると白色の乳液が出るのは、イチジク属の共通した特徴である。大人になるにつれてかぶれなくなったが、子供の頃には学校帰りの途中で失敬したイチジクで、口の周りがよくかぶれたものである。