イヌビワ Ficus erecta Thunb. (クワ科 イチジク属
 イヌビワは落葉の木本で、高さ数mになる。関東以西本州、四国、九州、沖縄に分布する。コナラ林などの二次林や林縁などに生育する。雌雄異株であり、初夏に花を付けるが、すでにイチジクの果実状であり、花は外からは見えない集合花となっている。受粉はイヌビワコバチ類が行い、先端の穴から中に入って受粉させ、産卵する。果実は秋には黒紫色に熟し、食べられる。食感はイチジクによく似ており、小さな種が多数入っている。傷を付けるとイチジク同様に乳液が出る。葉の表面には微細な毛が散在しており、裏面は脈上に微毛がある。
 和名は果実がビワに似ているが劣るという意味。イタビという別名もある。樹皮はつるりとしている。
イヌビワイヌビワの果実
ちぎれた葉から出る乳液黄葉したイヌビワイヌビワの樹皮

1.イヌビワ 2. 3.果実 4.冬芽
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