イヌビワ Ficus erecta Thunb. (クワ科 イチジク属) |
イヌビワは雌雄異株。イヌビワやイチジクなどの果実は、外から見ている限りでは花を見ることができず、つぼみ状のものが次第に大きくなって開くことなく、やがて熟す。花の状態を花嚢、果実になった状態を果嚢というのだそうであるが、どの時点で花が咲いたのかが外からはわからないので、花嚢か果嚢かは厳密には区別しにくいことになる。花嚢の先端には上部総苞片が花嚢内部への通路をふさいでいる。1本の個体を見ると、小さなものから熟したものまで様々な大きさの花嚢を付けている。年中熟しているのかもしれないが、秋から初冬にかけて熟したものが多いように思う。黒紫色に熟したものは甘くて食べられる。多くの種子を含んでいるので、食べると歯の間で種子がシャリシャリとつぶれる。種子は直径1.3mm。 |