カジノキ Broussonetia papyrifera (クワ科 カジノキ属) |
カジノキは中国中南部やインドシナ、マレーシア等に分布する落葉高木。高さ4から10mになり、大きなものでは16mに達する。古代より布や紙の材料として栽培され、野生化もしているため、正確な原産地はよく解らないらしい。日本でもまれに栽培されており、和紙の材料として同じクワ科カジノキ属のコウゾが有名であるが、広い意味ではカジノキもこれに含まれていた様である。現在、日本の和紙業界で用いられている和紙の材料は、タイから輸入したコウゾやカジノキが8割を占めているらしい。カジノキは雌雄異株で、5から6月、若枝の葉腋に1個の花序を付ける。夏の終わりに、子房柄と花被が液質に肥大して果実を包み、合着して集合果を作る。撮影は香川県の豊島だが、そこには雌株が1株あったのみで周りには雄株は見当たらなかった。にもかかわらずしっかり実っていたのは、花粉が海の向こうから飛んで来たのだろうか?。 |
文章・画像:森定 伸 |