ギョリュウバイ Leptospermum scoparium (フトモモ科 ネズモドキ属) |
この植物に最初に出会ったのはニュージーランド。見たことがない植物で、手を伸ばすと葉の先端が尖ってトゲになっており、痛い。花の形が小さいもののバラの花ににていることと棘があるので、勝手にタスマニアローズと名づけていた。長らく放置していたが、近所のお庭で花を咲かせているのに気づいた。さらに、拙宅の玄関先にも出現し、名前を教えてほしいというと、名札がなくなって分からないとのこと。露地で冬越しするので、ある程度の低温には耐えてニュージーランドでは晩春から夏にかけて花を咲かせる。 「ニュージーランド、赤い花」で検索してみると、ニュージーランドクリスマスツリーに混じってこのギョリュウバイが引っかかってきた。ニュージーランドでは色鮮やかな花を咲かせる植物が帰化植物以外では少なく、この程度のラフな検索で引っかかってきたのである。なんと、ニュージーランドの国花なのだそうだ。 原産地はニュージーランドとオーストラリア南東部とのこと。花は直径1cmにもならない。形はとても梅には見えないが原種では梅のイメージがあるのかもしれない。ここに掲げたものは、Red Damaskという品種のようである。マオリ語でマヌカと呼び、これからとれる蜂蜜はおみやげ物として有名。葉をお茶に利用するということで New Zealand teatree との英語名を持つ。樹高は数メートルだが、潅木のように根元から枝分かれして株状にはならないのではないかと思う。常緑であり、冬期は紅葉する。葉の先端がトゲになっていることからか、属名はネズモドキ。 |
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師走になって、玄関先の鉢植えにしているギョリュウバイの花が咲き出した。蜜がいっぱい分泌されており、現地でマヌカの蜜として販売されていたことが納得できる。たくさん蜜を分泌する植物なのである。中心のめしべがあるべきところは穴のみで、雄性先熟である。5月の画像では、ニョキ!とめしべが突出している。
花期は長く、半年近くも咲いている。同じ花かどうかは定かではないが、開花期が長いのは確かである。ところで、おかしいな、と思い始めると、気になって仕方がない。ニュージーランドでこの花を見たのは、正月。一番上の画像がその時のもので、1月5日の撮影。季節が逆である日本とニュージーランドなのであるが、同じ時期に咲いていることに気づき、なぜだろう? と思い悩んでいるわけです。 ニュージーランドのサイトでは、花は late spring から summer とある。ニュージーランドの春は9月から11月、12月から2月が夏。つまり11月から2月にかけて咲くということになる。ニュージーランドに行ったのは年末から年始にかけてであるから、この記述にぴったり一致している。しかし、我が家と2軒となりの庭先のギョリュウバイは12月から6月まで咲いている。気候的には冬から春なのであって・・・・・ 日本の園芸サイトでは、開花期は2月〜5月、11月から12月と書いたものがある。結局11月から5月であって、やはり日本での開花状況は、ニュージーランドとは逆転しているな、と再認識したしだい。ギョリュウバイは世界時計で開花しているということでしょうか? 因みに、花屋さんで「魚柳梅」と名札がつけられたものが12月に販売されていた。漢字名は正しくないが、結構売れていた。梅らしくないと思うが、八重咲の園芸種を見るからであって、野生種の白い5弁であれば、梅を連想しても不思議ではない。 |