オシロイバナ Mirabilis jalapa L. （オシロイバナ科）
オシロイバナの種子
オシロイバナの種子は丸くて堅い。中の胚乳は粉質で、おそらくデンプンが詰まっているものと思われる。
オシロイバナの根
卒論生の藤本君が土手の調査でおもしろいものを持ち帰ってくれた。オシロイバナの根である。普通は高さ１ｍにもなるオシロイバナを標本にするとき、根まで掘り取ることは少ないが、刈り取られた個体を根まで忠実に掘って持ち帰ってくれた。このように普段は見えない根っこを目の当たりにすると、植物の生き様が突然見えてくる。植物の地下部を観察することの重要性を改めて認識させられる昨今である。
さて、オシロイバナは元々栽培されたものであるが、路傍や民家の近隣に野生化していることも多い。拙宅の近くの公園では、歩道の腋にたくさん生えている。１年に２回、地区の大掃除ではきれいさっぱりと刈り取られるのだが、やがて再生して歩道を半分ふさぐほどに成長する。なかなか大した繁殖力であると感心していたのだが、この肥厚した根を見ると納得できる。刈り取られると、この根にため込んだ栄養分を使用して、速やかに地上部を再生するわけである。
根は大きく肥厚してサツマイモのようであるが、繊維質が多くて堅い。ちなみに有毒であるので食べられません。
