リシリヒナゲシモドキ? Papaver sp.   ( ケシ科 ケシ属
 このページに掲載していた黄色い花のケシは、長らくリシリヒナゲシとしていた。しかし、利尻島の街中で栽培されているものは、遺伝子の塩基配列が、利尻岳の自生地のリシリヒナゲシ Papaver fauriei を含む極東地域の野生種とは一致しないことが北海道大学の研究チームの検討により明らかになった(Yamagishi & Yoshida et. al. 2010 )。また、ネット上にはリシリヒナゲシモドキと記載されているものがあり、それと一致するとの確証がないため、このページに掲載しているものは、リシリヒナゲシモドキ?Papaver sp. と訂正いたします。ご指摘を頂いたT. N. さん、ありがとうございます。

 リシリヒナゲシモドキ?Papaver sp. は北海道の利尻島の低地の花壇などで栽培されている多年草。ロゼットをつくり、全体に荒い毛が生える。葉は根生し細かく分かれ、葉柄を含めて長さ15cm程度。初夏に花茎を20cmほど立ち上げ、1花を頂生する。ケシの花といえば、帰化植物のナガミヒナゲシが思い当たる。日本に自生するケシ属はヒシリヒナゲシのみであり、千島列島にチシマヒナゲシなど近縁な種類が分布している。

引用、Masumi Yamagishi , Eri Yoshida , Tetsuya Aikoh , Tetsuya Kondo , Hideki Takahashi. 2010. A cultivated poppy (Papaver sp.) invades wild habitats of Papaver fauriei in the mountain area of Rishiri Island, Japan. Landscape and Ecological Engineering, 6: 155-159.
Papaver sp.Papaver sp.
Papaver sp.Papaver sp.
1.Papaver sp. 2.
文章・画像:太田 謙
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