リモニウム・フレックスオサム Limonium flexuosum  (イソマツ科 イソマツ属
 モンゴルの自然保護区、で見たことのない植物に出会った。何?!これ!?といった感じ。カサカサに乾燥したような花。葉は朽ちる直前のようなものが根元についている。しっかりした葉で、乾燥地に適応した構造のように思えた。
 調べてみると、切り花のスターチスの類縁種で、内蒙古、モンゴル、東シベリアなどに生育するL. flexuosum であった。花茎はあまり伸びず、30cmほどまで。花は6月から8月に咲き、淡い紫。来訪した時はすでに花期の終わりころで、わずかに咲き残っていたのに気付かなかった。花のように見えるのは萼であり、本種の場合は白い萼が花のように見えて草原に際立って存在感があった。花弁以外のものが花のような役割を担っている場合には、長い寿命を持つ場合が多いが、スターチスもその例で、ドライフラワーになってしまう。葉はロゼットであり、花を咲かしていない株では披針形で先端がとがるが、花を咲かせた個体では葉柄がある広い楕円形。裏面には点々と陥没気孔らしい構造が見える。開花株の葉はくたびれている。周囲を探すと勢いのよいロゼットがみつかる。これが未開花株であるとがんをつけた。そうであるならば、一年か数年かけて生長し、開花すると枯れてしまうのではないかと思うがどうであろうか。
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