2013/08/31〜2013/09/04
モンゴル Mongol
1.モンゴルの草原

植物の調査で行ったわけではないのだが、それにしてはゆったりと日程を組むことができ
2日間ではあるが、植物をじっくり眺めることができたのでレポートしておこう。

岡山空港から韓国インチョン空港へ
そしてモンゴル航空で首都ウランバートルへの道のりである。



チンギスハーン空港について「またこんな所に来てしまった」と思った。
空港周辺の山に木が生育していないのである。



ウランバートルの標高は1300mほど。
山頂は2000mに到達していないだろう。
緯度は 47°55′N であり、樺太南部にあたる。
おそらく、山頂は森林限界には達していないはずであり、ハイマツ帯かもしれない。



超ズームで迫ってみると、ブッシュが残っているところがあり
その中心部には枯れた高木らしきものが見える。
何らかの原因で樹木が枯れ、その跡地が回復しつつあるのではないかと思った。
背丈の低いブッシュは、ハイマツの可能性が高い。



ウランバートルの新しいホテルの24階からの眺め。
夕方である。
人口120万人の大都市であり、モンゴルの約1/2がここに集中している。
ものすごい建設ラッシュ。
建築中のビルが多く、猛烈な交通渋滞緩和のための道路拡幅が行われている。
ものすごくエネルギッシュ!



モンゴルの国会議事堂。
この広場は「赤の広場」といったイメージのものなのであろうか。



同行した星野先生と。



正面にはチンギスハーンの坐像が。
朝青龍か白鳳か



モンゴルの野生馬「タヒ」が保護されているHustai National Parkに行くことになった。
ウランバートルから100km少々といったところ。
広い草原を道はほぼ一直線に、ぶっ飛ばしてと言いたいところだが
トヨタのプラドは比較的ゆっくりと走る。
アスファルトコンクリートの道路が意外にでこぼこで
所々に穴があってよく埋め戻しの工事をしている。
冬季の気温が-30℃とか-40℃なので道路の下の土が凍結し
路面を持ち上げてしまうのである。
凍結・融解作用の結果、道路はでこぼこになり、穴ぼこと補修のいたちごっこ。
チベットでもそうであったのだが、寒冷地に行くためには腹筋の訓練が必要である。













モンゴルの草原は単調で変化に乏しい。
降水量も300mm以下の状況で、池や小川もない地形的な要素単純さに加担している。
と思っているとなんだか様子が違う草原が見えてきた。
一面アカザやヨモギの仲間の草原に太陽が当たったかのような黄金色の光り輝く草原が見えてきた。
ナノハナの仲間のようである。
セイヨウカラシナか、それに近縁の種ではないかと思ったが確かめられなかった。



更に西に行くと遠くにゼブラ模様が見えてきた。
粗放的な牧畜を行っているはずのモンゴルで
大型のトラクターが走っているのを見かけたのでおかしいと思っていた。
耕して牧草を栽培し、干草をつくっているようである。
縞模様のうち、緑色の部分が牧草の生育している場所で、茶色の部分は耕された場所。
長年放牧してきた草地は貧栄養であろうし食べられる草がろくに生育していないであろう。
このような放牧地の改良が近代的な牧畜の発展を誘導することになろうが
エネルギー投入型の牧畜に移行してしまうことになってしまう。



デコボコの丘が見えてきた。砂丘とのこと。
航空写真を見ると、所々に砂丘が見える。
何らかのきっかけで裸地ができて砂が動き出すと、砂丘になってしまうようだ。



Hustai National Park ビジターセンター(?)の入り口を入って振り返った風景。



ゲルは訪問者の宿泊施設。





公園は境界線がよくわからないがアカザ属やヨモギ属植物が比較的少ない。
通常の放牧草原に比べて放牧頭数などが過放牧にならないよう管理されているものと思われる。

2.モンゴルの植物
 
シベリアニレ Ulmus pumila
ハルガイ Urtica cannibana
アオノイワレンゲ Orostachys malacophylla
リモニウム・フレックスオサム Limonium flexuosum
ヒヨス Hysocamus niger
ダイアンサス・ウ”ァーシカラー Dianthus versicolor
コンボルブルス・ビクスピダトゥス Convolvulus bicuspidatus
ハナヒョウタンボク Lonicera maackii
オオヒエンソウ Delphinium grandiflorum
ゲンチアナ・デカンベンス Gentiana decumbens
スカビオサ・コモサ Scabiosa comosa

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