シベリアニレ Ulmus pumila ニレ科 ニレ属
 モンゴルの首都、ウランバートルでアキニレによく似たニレが生垣として植栽されていた。当地の生垣としてはよく見かけるもので、乾燥・低温という気象条件によく適応しているものと思われた。アキニレと比較するとやや葉が大きいが、全体として繊細なイメージ。植栽したものばかりと思っていたら、トール川の川岸に自然生と思われるものに出会った。ヒツジに食べられるためか、下枝がない。モンゴルでは家畜の立ち入りを禁じる対策を実施しない限り、郊外では樹木にはなかなかお目にかかれない。この地域はヒツジの放牧が行われていない期間があったのであろうか。生育地は、河岸段丘の急斜面であり、時折崩壊がある場所のように見えた。

 シベリアニレ Siberian Elm は中央アジア、シベリア東部、モンゴル、チベット、中国北部、インド北部、韓国などに広く分布する落葉樹(暖地では半落葉)。分布が広いのでAsiatic Elm、Chinese Elmなどの呼び名もある。また、Dwarf Elmの呼び名もあるように、あまり大きくはならず、潅木状のことが多いが20mにまで成長することもあるとの記載がある。葉は長さ3〜7cmでアキニレよりも一回り大きい。
 検索してみると生垣用の樹木として販売されており、ヨーロッパや北米などでも野生化の記述がある。荒地での植栽に耐える強い性質があるための導入・利用であると思われ、その能力が野生化を引き起こしている。その意味でもアキニレとの共通性が伺われる。
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