ルメックス・アルピヌス Rumex alpinus (タデ科 ギシギシ属
 スイスのユリア峠(標高2284m)で大きなギシギシに出会った。第一印象はエゾノギシギシであった。エゾノギシギシもヨーロッパ原産の帰化植物なので、スイスに生育していて不思議ではないのであるが、近寄ってみると花の形が違う。海抜2600mまで分布し、民家の周辺などの窒素分の多い場所に生育するとのこと。放牧された牛などの休憩所となる場所での排泄物が関係しているのであろう。となれば、この植物は牛や羊などに食べられないはずである。多量のシュウ酸を含んでいるが、これが食べられないための防御策なのか、と思うがいかがであろうか。根出葉はハート型であり、長さ・幅ともに50cmほどになり、花序を含めた草丈は1m前後になる。
 学名を訳せばアルプスギシギシということになる。英名はMonks rhubarb 修道士の大黄との意味になろう。大黄はギシギシの仲間の一種で、漢方医学では薬草として珍重される。
Rumex alpinusの群落
Rumex alpinusの果実Rumex alpinusの葉
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