スベリヒユ Portulacea oleracea (スベリヒユ科 スベリヒユ属)



 スベリヒユは世界の熱帯から温帯にかけて生育する、史前帰化植物。畑の雑草であるが、路傍や荒れ地にも生育している。葉は厚ぼったく、光沢がある。茎も多肉質であり、乾燥に強い対応能力を持っていることが予想される。昔から食用にされていたようで、ゆでておひたしにする。ゆでると粘液がでるとのことで、それがスベリヒユの名前の由来となっている。粘液物質を含んでいることも、乾燥に対する抵抗性と関連がある。畑では厄介者であるが、食べられるというし、利尿作用などもあって民間薬として利用されてきたそうである。農薬の使用されていないような場所に生育しているのを選んで、アタックしてみたい。
 元々暖かい地方に多く、冷涼な地域では少なかったが、最近高冷地野菜を栽培する地域でも畑の害草として重視されつつある。CAM植物であるので、気温の高い場所における生育に適しているはずである。地球温暖化のせいであるのか、スベリヒユが適応しつつあるのか・・・?
スベリヒユスベリヒユ
スベリヒユの花スベリヒユの花スベリヒユの種子
 スベリヒユの花をみた記憶がなかった。どんな花だろうと思っていたが、会議で県庁に出向くと、中庭にスベリヒユの花が咲いていた。結構かわいい花である。この画像は午前9時半、4時に同じ場所を通りかかると、すでに花の痕跡すら見えなかった。おそらく朝の涼しい間だけしか花を開かないので、今まで見たことがなかったのであろう。果実は上下に割れ、中には小さな黒い種子が入っている。

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