オオバヒルギは沖縄島以南の東南アジア、太平洋諸島、オーストラリアなどに広く分布するヒルギ科植物。私にはヤエマヤヒルギの方が馴染みが深い。奄美大島には分布しないので、オヒルギとメヒルギからなるマングローブ林が発達することになる。呼吸根は支柱根となってよく発達するのが特徴の1つ。沖縄島の慶佐次湾のマングローブ林では、中核となって林を構成しており、おそらく優占種。日本では樹高は10mほど、熱帯では30mにも達するとの事であるが、沖縄島の慶佐次湾では高さは数m程度で低い。北限に近いからかもしれない。葉は対生であり、生長のよい枝ではそのことがわかるが、落ち着いた枝では先端部に葉が集まり、対生とはわかりにくい。葉は長さ10〜20cmで楕円形で先端は尖る。葉の形はオヒルギによく似ており、花や果実が付いていないと区別しにくい。葉の裏面には、塩の分泌に関与するのであろうか、黒点が散在することは、オヒルギとの区別点なのではないかと思う。花は8月から9月に咲かせるそうで、黄白色。顎は4深裂するので、メヒルギの5深裂とも区別できる。来訪した12月には、根が出始めた状態であり、夏までに生長するのであろうか、胎生発芽する根は長さ20〜40cmにもなるという。 |