オヒルギ Bruguiera gymnorrhiza (ヒルギ科 オヒルギ属) |
オヒルギは奄美大島以南の琉球列島から東南アジアの熱帯を中心に台湾・中国大陸南部・オーストラリア・アフリカ・大平洋諸島などに広く分布する常緑の高木。汽水域に成立するマングローブ林の代表的樹種の1つ。塩分を含んだ水に生育するため、葉は厚く、内部に多量の塩分を含んでいる。このために新聞紙に挟んだ程度では何日経っても乾燥せず、湿ったままである。幹から多数の支持根を出し、また泥中から気根を出す点も特異である。花の形もおもしろく、タコの風船あるいはお弁当のウインナーソーセージを連想させる顎であり、花弁は淡黄白色。花後、胚は木に付いたままで発芽し、長さ15〜20cmの根を出す。種子ではなく、苗で繁殖するので、胎生の植物の1つとしても有名。 |