マングローブ林
 マングローブ林は熱帯から亜熱帯の主に汽水域に発達する特異な森林である。オヒルギ・メヒルギ・ヤエヤマヒルギ・ヒルギダマシなどの特異な種が生育し、森林を形成している。
 汽水域では流れてくる淡水中の粘土など、微細な粒子が沈殿しやすい。海水中の塩分によって微粒子の表面荷電が失われ、微粒成分同士が付着して沈殿しやすくなるためである(塩析)。このために河川の河口部には干潟が形成されることになる。マングローブを構成する植物の多くは、支持根や気根をだし、酸素がほとんどない土中にも根を張って定着し、生長していく。森林が形成されると更に土壌の堆積が進行し、次第に安定した場所ができる。そのような場所ではマングローブの構成種も樹高が高くなり、立派な森林へと発達していくことになる。オヒルギの材は堅く、立派に生長したものは柱材などの建築用材としても使用される。炭に加工され、良質な木炭として日本などへも輸出されている。アウトドアで焼き肉という行動が、実は熱帯のマングローブ林の破壊に手を貸しているのかも知れません。
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