カナメモチ Photinia glabra (バラ科 カナメモチ属) |
カナメモチは関東以西の温暖な地域に生育する常緑の小高木で高さ5mになる。葉は長さ7〜12cm。春の新葉は赤く、葉が成熟するにしたがって緑色となる。葉は堅く、乾燥に対して強い抵抗性があり、強い日照がある場所に生育する。成長は遅く、アカマツ林や自然林の尾根筋などに生育している。花は5月から6月にかけて咲き、果実は秋から冬にかけて赤く熟す。乾燥に強いことから、治山植栽に利用されたこともあり、岡山市の操山では大きく育った群落がある。生け垣などの植栽や庭園木としても利用される。材は堅く、農具の柄などに利用された。 和名は、葉が堅いことから金属的であるとの意味と思っていたら、扇の要(かなめ)に使うからだそうだ。新葉の赤さには変異があり、赤いものをアカメモチと呼んで生垣などに利用した。その後、病気などですtれ、近年はレッドロビンが作出され、各地で植栽されている。 カナメモチの葉が赤いのは、葉緑素の形成が新葉の展開に比べて遅れるからである。葉緑素が形成されると次第に紅色は色あせ、緑色に変わっていく。せっかく葉を作ったのに、葉緑素も同時に作ればいいと思うのだが、様子を見ながらじっくり時間をかけて葉緑素を作るのがカナメモチの戦略らしい。
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