キビノナワシロイチゴ Rubus yoshinoi (バラ科 キイチゴ属) | |||
広島県の石灰岩地域に出かけると、典型的な石灰岩地帯の植物が生育するポイントに出向くことが多い。その中でもほとんど出会えない植物がこのキビノナワシロイチゴである。何度か出会っているが、同じ個体かもしれない。花は5〜6月とのことだが、残念ながら花や果実の状態を見ることができていない。ナワシロイチゴの名前をもらっているが、葉の形はかなり異なっている。ツルも間延びして葉と葉の間隔が随分と広い。細長い、ひし形の葉が特徴で、裏面には白い毛が密生している。平凡社の図鑑には、葉の裏面の毛はやがて落ちて緑の地が見えるようになると記載されているが、この個体では裏面の毛は遅くまで残っている(9月15日撮影)。 学名のyoshinoiは、岡山県高梁市出身の植物学者:吉野善介を意味している。おそらく、岡山県の石灰岩地帯で発見された標本に基づいて命名が行われたのであろう。本州(福島県・長野県・岡山県など)・九州に稀産するとのこと。 |
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