カラタチ Poncirus trifoliata (ミカン科 カラタチ属) |
カラタチは中国原産の渡来植物で、暖地の生け垣などによく植えられていた。枝は緑色で、刈り込むのが困難なほどの鋭い棘がある。よく手入れされたカラタチの生け垣は何人の侵入も困難な状況であり、防犯効果満点であった。動物の侵入を防ぐ目的で畑の周辺などにも見られたものである。近年は治安が良くなったためか、あまり見られなくなった。 葉は3枚にわかれ(3出葉)、葉柄には翼がある。柑橘類の台木として使われる。4月から5月にかけ、葉の展開に先立って、直径2cmほどの白い花を咲かせる。今回、久々にカラタチの花を見ることができた。花はきれいに開いていないものがほとんどであった。花弁の数も不ぞろいであったが、基本的には5枚なのであろう。それにしても花の撮影時には痛かった。厳しい棘である。 果実を見たことがなかったが、ほぼ毎日散歩する道のそば、お庭にカラタチがあり、果実が稔っているのに気づいた。ちょうどお宅の奥さんが出てこられ、お話を聞くことができた。直径3cmほどの青い果実であり、熟するとミカンに似た黄色になるという。しかし、すぐに果実は落ちてしまうし、葉も落ちてしまうとのこと。緑の間の果実は目立ちにくいし、黄色に熟すとすぐに落ちてしまうので、気づきにくかったわけである。果実は残念ながら、食べるには適さないらしい。果実がなるようになるには、長い年月がかかったという。ユズと同じような性質なのであろう。 |
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